温石(荒久C)

更新日:2022年04月18日

温石(おんじゃく)

所々茶色がかった長方形の石の写真

出土地

荒久(あらく)遺跡C地点

遺跡所在地

国分寺台地区・惣社(そうじゃ)

時代

奈良・平安時代

解説

 温石とは現代の懐炉(かいろ)の祖先と言われていますが、古代の温石は、暖房器具としてよりも、暖めることで患部の治療を期待した医療器具として機能したと考えられています。また、その使用者には、僧侶が想定されていることから、仏教関連遺物として扱われています。
 出土例は少なく、千葉県内では荒久遺跡のものも含め、6例ほどが確認できるにすぎません。
 荒久遺跡C地点は、上総国分僧寺跡の寺院地外郭溝東辺部に接する集落跡です。温石は寺院地外郭溝からさほど離れていない竪穴建物跡の中から出土しました。この建物が治療の場として使われていたとは言い切れませんが、この資料は、医療行為が国分僧寺周辺で行われていた事を直接示す数少ない物証としといえるでしょう。

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