馬具(江子田金環塚古墳)

更新日:2022年04月18日

馬具(ばぐ)

背景が黒で、表面が剥げ緑がかった馬具が上に2個下に5個並ぶ写真

出土地

金環塚古墳(きんかんづかこふん)

遺跡所在地

江子田(えこだ)

遺構

前方後円墳木棺痕内

時代

古墳時代後期前半

解説

 轡(くつわ)や、面繋(おもがい)・尻繋(しりがい)を構成する金具がひと揃い出土しました。
 轡は、馬の口にかませる銜(はみ)1個、銜と手綱(たづな)をつなぐ引手(ひって)2個、および銜と面繋をつなぐf字形鏡板(かがみいた)2個で1組になります。面繋の金具には、革帯の交差部を飾った辻金具(つじかなぐ)6組分と絞具(かこ:バックル)2個があります。尻繋には、革帯連結部の金具である雲珠(うず)1個と辻金具2個、垂飾りである鐘形杏葉(ぎょうよう)5個があります。
 このうち鏡板・辻金具・雲珠は、鉄地に銅の薄板をかぶせ鍍金(ときん:金メッキ)し、さらに縁などに打たれた鋲の頭や脚の付け根の責金具(せめかなぐ)には銀の薄板をかぶせるなど、表面が金銀に光り輝く豪華なつくりです。なかでも尻繋の辻金具・雲珠は、半球状の本体表面に珠文・内行花文・木葉状文(蓮華文)を同心円状にめぐらせた文様が刻まれ、工芸的にも特に優れたものです。
 ここで紹介した馬具は、高度な鍛冶金工技術を駆使した儀仗的なものです。中央の工房で造られ、当地にもたらされたものと言えそうです。
 同時に出土した玉類や純金製の耳環とともに、県の有形文化財に指定されています。

関連リンク

この記事に関するお問い合わせ先

市原市埋蔵文化財調査センター

〒290-0011 千葉県市原市能満1489番地

電話:0436-41-9000
ファックス:0436-42-0133

メール:bunkazai-center@city.ichihara.lg.jp
休所日:土曜日・日曜日・祝日