磨製石斧(祇園原貝塚)

更新日:2022年04月18日

磨製石斧(ませいせきふ)

背景が赤で、白や青みがかったグレーの石が5個並べられている写真

出土地

祇園原貝塚(ぎおんばらかいづか)

遺跡所在地

国分寺台中央(こくぶんじだいちゅうおう)

時代

縄文時代後期

解説

 石器には、打ち欠いただけの打製石器と、磨いて仕上げた磨製石器があります。このうち木を伐る斧(オノ)として使用されたと考えられる石器が磨製石斧です。石斧の材料には硬くて粘りがある、緑色をした蛇紋岩が多く使用されました。
 写真の石斧は大きなもので300グラム〜400グラム、中くらいのもので100グラム前後、小さなものは30グラム前後の重さになります。さらに小さいものは10グラム以下のものもあります。これらに木の柄を取り付け、鉞(マサカリ)のように使用するものを縦斧(タテオノ)と呼びます。それは木を伐ったり割ったりするものです。また、チョウナのように使用するものを、横斧(ヨコオノ)と呼びます。それらは木を削る道具です。石器の重さ、柄に装着する角度や、石斧の刃を取り付ける位置によって道具の用途が変わりました。小さな石斧は工具でも細工する道具として、使用されたものでしょう。
 これらの道具は、縄文時代後期、現在から約4000年前の集落で使用されたものです。当時、金属はありませんから、硬くて丈夫な物の材料は石でした。また希少材料なので、破損してもリサイクルされ別の道具なり、小型化して再生することが多いです。写真中央の石斧もハンマーに転用されています。これらの道具を使用して、木を山から伐り出して、家屋の材木に加工したものと考えられます。

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