大面取柱の石膏型(片又木)

更新日:2022年04月18日

大面取柱の石膏型(おおめんとりばしらのせっこうがた)

正方形の木の台の上に置かれた、下は灰色、上にいくにつれ白くなっていく、大面取柱の石膏型の写真
作業員が土の中に石膏を流し込み、周りの土をを掘っている作業の様子の写真

石膏を流し込んで周りを掘る
 

大きな穴の開いた土の中央に、石膏が流された白い箇所がある写真

掘り上がり

無数に穴の開いた土の1つの穴の中で、石膏型を取り出し喜ぶ作業員の写真

石膏型を取り出し喜ぶ

黄色い八角形の形をした、直径20センチメートル程度の柱痕跡の模式図

柱痕跡の模式図

直径20センチメートル程度の穴が空いている、柱の痕跡を掘った状態の写真

柱の痕跡を掘った状態

2つの穴が空いており、片方の穴の中に作業員が底まで足を入れている写真

建物の重みで堅くなった面

出土地

片又木遺跡(かたまたぎ)

遺跡所在地

不入斗(いりやまず)

遺構

不明

時代

13世紀初頭?

解説

 これは何だかわかりますか?石膏のお化け?ちがいます。中世建物の柱の形が蘇ったものです。
中世の総柱建物跡を調査中、柱穴に充填された版築層に、明瞭な柱痕跡が残っていることに気がつきました。柱痕跡の土だけ除去し、そこに石膏を流し込んだところ、柱の形が型取りできました。ポンペイにヒントを得た、と言えば大げさでしょうか?
 下のほうは版築がゆるく、明瞭な型取りはできませんでしたが、上のほうを見てください。断面八角形の柱であることがわかるはずです。これは四角柱の四隅を面取りしたものです。この面積が広いほうが、つまり正八角柱に近いほうが、時代も古くなります。写真の例は面取り幅の広い「大面取柱」と呼ばれるもので、面取幅の比率から、平安後期から末期にかけての建築部材であることがわかりました。この建物が建っていた地業層の年代は13世紀初頭頃に推測されています。古材をリサイクルしていたのかもしれません。

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