広域連携事業
上総地域の唐箕調査
上総唐箕とは
唐箕(とうみ)は、風力を利用して穀物を精選するための農具です。漏斗(ろうと)部に穀物を入れながら、手回しで羽を回転させて風を起こし、重い穀粒などは下に落ち、軽いゴミなどは吐き出し口から外に飛ばします。
「上総唐箕(かずさとうみ)」は君津市東部を中心に江戸時代末期から製造されたとされ、東北地方にまで販売された上総ブランドの農具です。
調査の目的
市原市では安政(あんせい)6年(1859)に君津市亀山周辺でつくられた「上総唐箕」を所蔵していますが、これは現在確認されている「上総唐箕」のなかでも最古級の貴重な資料です。
そこで「上総唐箕」の発祥や発展の経緯、職人や商人の伝播を明らかにすることを目的として、上総地域の自治体が連携して、共同調査を行うことにしました。

「安政6年」の墨書が残る上総唐箕
調査の内容
各自治体が所蔵する「上総唐箕」を対象として、形態的な特徴や寸法を調査票に記録し、写真撮影を行うほか、各地域での古文書調査や聞き取り調査を行います。
将来的には、民家等に眠る資料も調査対象として広げ、市民との協働による調査に発展させるほか、調査研究の成果をわかりやすい方法で公表していきたいと考えています。
上総地域の唐箕調査(その4)
袖ケ浦市所蔵資料等調査
袖ケ浦市及び袖ケ浦市内の個人が所蔵する「上総唐箕」6点について、形態的な特徴や寸法を調査票に記録し、写真撮影を行いました。
実施日
令和元年8月23日(金曜日)
実施場所
袖ケ浦市郷土博物館ほか
調査参加者
木更津市郷土博物館金のすず職員
君津市久留里城址資料館職員
袖ケ浦市教育委員会生涯学習課職員
袖ケ浦市郷土博物館職員
市原市教育委員会ふるさと文化課職員

調査状況

大多喜町資料と同じ発売元を記した墨書
上総地域の唐箕調査(その3)
大多喜町所蔵資料調査
大多喜町が所蔵する「上総唐箕」3点について、形態的な特徴や寸法を調査票に記録し、写真撮影を行いました。
実施日
令和元年5月24日(金曜日)
実施場所
大多喜町中央公民館ほか
調査参加者
大多喜町教育委員会生涯学習課職員
木更津市郷土博物館金のすず職員
木更津市教育委員会鎌足公民館職員
君津市久留里城址資料館職員
富津市教育委員会生涯学習課職員
袖ケ浦市教育委員会生涯学習課職員
市原市教育委員会ふるさと文化課職員

調査状況

発売元を記した墨書
上総地域の唐箕調査(その2)
木更津市所蔵資料調査
君津地方公立博物館協議会と君津地方社会教育研究会文化研究部会の合同研修会において、木更津市が所蔵する「唐箕」6点について、形態的な特徴や寸法を調査票に記録し、写真撮影を行いました。
このうち1点は「上総唐箕」を原形とし、安房(あわ)地域で製造された「房州唐箕(ぼうしゅうとうみ)」であることが確認されました。
実施日
平成30年8月29日(水曜日)
実施場所
木更津市郷土博物館金のすず
調査参加者
木更津市郷土博物館金のすず職員
君津市久留里城址資料館職員
袖ケ浦市郷土博物館職員
君津地方社会教育研究会文化研究部会会員
古宮利篤(日本民具学会会員)
市原市埋蔵文化財調査センター職員

調査状況その1

調査状況その2
上総地域の唐箕調査(その1)
君津市所蔵資料調査
君津市が所蔵する「上総唐箕」7点について、形態的な特徴や寸法を調査票に記録し、写真撮影を行いました。
実施日
平成30年3月6日(火曜日)
実施場所
君津市内
調査参加者
君津市生涯学習文化課職員
君津市久留里城址資料館職員
木更津市郷土博物館金のすず職員
市原市埋蔵文化財調査センター職員

調査状況その1

調査状況その2
この記事に関するお問い合わせ先
市原歴史博物館
〒290-0011 千葉県市原市能満1489番地
電話:0436-41-9344
ファックス:0436-42-0133
メール:imuseum@city.ichihara.lg.jp
開館時間:9時00分~17時00分
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
更新日:2022年04月18日