渥美産片口鉢(西野D)
渥美産片口鉢(あつみさんかたくちばち)

出土地
西野遺跡群D地点(にしのいせきぐん)
遺跡所在地
権現堂(ごんげんどう)
遺構
井戸状遺構001
時代
平安末期(12世紀中葉)
解説
愛知県の渥美半島一帯で焼かれた須恵質の鉢で、口縁には1か所、片口が付いています。
現在の擂鉢のような使い方をしたようで、平安時代末期の絵巻『病草子』でも、須恵質の片口鉢とすりこ木を使い、薬草を調合している女性の姿が描かれています。
本品は口径32.7センチメートル、最大経32.9センチメートル、底径13.5センチメートル、高さ11.7センチメートルあり、全体に丸いプロポーションです。
口縁は丸く薄手に仕上げ、一部に窪みを入れ輪花を表現しています。
内面は使用のため擦れて、つるつるになっています。
だいたい常滑Ib型式(12世紀第2四半期)に併行するものと思われますが、4型式期(鎌倉時代初期)の常滑産片口鉢といっしょに、井戸のなかに捨てられていました。
渥美産の片口鉢は、関東でも一定量が流通していたようですが、出土品は小片が多く、本品のようにほぼ残っているのは稀です。
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更新日:2022年04月18日