ここまでわかった市原の遺跡 西広貝塚展9_1
縄文の祈り

展示風景 このブロックでは、祭りや祈りなどに使われた物を集め、縄文時代の信仰について考えます。
西広貝塚が初めて本格的に発掘調査された今から35年ほど前、西広貝塚の名前が一躍学会に広まる一つの発見がありました。
多量の「土偶」の発見です。
出土総数140点は、当時一つの遺跡のものとしては日本一の量でした。
それも、どれ一つといって完全なかたちのものはなく、またムラの「中央広場」と推定される場所からのまとまった出方は、その場所の意味と土偶の用途・扱われ方を示すものとして大変重要な示唆を与えるものでした。
この他にも、土版・有孔円板などの土製品、石棒など同じようにまつりの道具とみられる遺物が遺跡の中央付近からたくさんみつかりました。
また、晩期の包含層中から多量のイノシシ・シカを中心とする獣骨が、「骨塚」と呼ばれるほどみつかったことも前例のあまりないことでした。
その後、同様の状況は、西側斜面貝層の北端に位置する晩期の小規模な貝層の、上面や下面からも発見されました。
57号住居の出土事例:用途の推定

タカラガイ加工品の出土の仕方は、この道具が単なる装身具ではなく、特殊な意味をもったものであったことを推定させます。
子供の死に際して用いられていることから、再生を願う護符(お守り)のようなものだったのかもしれません。
西広貝塚1次調査出土の土偶

西広貝塚で見つかった土偶の数々 出土点数140点は、当時日本一
祭祀用土・石製品の出土状況


上 同一個体の土偶・石棒破片

石棒出土状況 7次調査西側斜面貝層下部
ちょうど真ん中あたりで折れてみつかった。もう片側はすぐ近くからみつかった。意図的に折ったのか、それとも偶発的に折れてしまったのかはわからない。
参考 祇園原貝塚出土資料

石冠

石剣・石棒

発泡土器

異形土器・釣手土器

焼けた獣骨
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休所日:土曜日・日曜日・祝日
更新日:2022年04月18日