ここまでわかった市原の遺跡 西広貝塚展3_5
西広貝塚3
陸産微小貝
貝類のなかまは、海にすむものばかりではありません。陸にすむものも多く、これらはいわゆる「かたつむり」と呼ばれています。これらのうち、とくに小さな個体を「陸産微小貝」といいます。
貝塚からは、これら陸産微小貝がたくさんみつかります。もちろんこれらは、食用にされたわけではなく、貝塚の場所に生息していたものが、死んでそのまま残ったものです。「かたつむり」のなかまは、生息する場所が種ごとに厳密に異なります。林の中にすむもの、草地にすむもの、その中間の環境にすむものなどです。つまり、貝層の中からどの種類の陸産微小貝が多くみつかるかによって、当時の貝塚のあった場所の環境を知ることができるのです。木がうっそうと茂った薄暗い場所だったのか、草が生える程度の開けた場所だったのかなど、ムラと貝塚のイメージを推定することができます。
直径1ミリメートルほどのこんな小さな貝にも、貴重な情報が含まれているのです。

上は顕微鏡による拡大写真です。
この記事に関するお問い合わせ先
市原市埋蔵文化財調査センター
〒290-0011 千葉県市原市能満1489番地
電話:0436-41-9000
ファックス:0436-42-0133
メール:bunkazai-center@city.ichihara.lg.jp
休所日:土曜日・日曜日・祝日
更新日:2022年04月18日