ここまでわかった市原の遺跡 西広貝塚展3_4

更新日:2022年04月18日

西広貝塚3

骨格標本の作製

魚の場合

左上:物差しで大きさを測っている地面に置かれたタイの写真、右上:大きな鍋でタイを煮ている写真、中央:タイの身を手でほぐしとっている写真、右下:ビニール袋に入った薬品の中に骨を入れている写真、左下:完成した骨格標本の写真

 貝層中からみつかる様々な動物の骨が何のどこの骨かを見極めるには、魚類・爬虫類・鳥類・哺乳類など動物ごとの各種標本が必要です。この標本と貝塚から見つかる骨を見比べて、より類似したものに当てはめていく作業を「同定作業」といいます。この同定作業を経て、はじめて貝塚の中にどんな動物がどれだけ含まているかがわかります。私たちは、この標本づくりにも時間を費やしました。

黒い台の上に白いスズキの骨が並べて置かれている標本の写真

スズキの現生標本

ピンクの紙の上に魚の形状に骨が並べられて置かれているクロダイの標本写真

クロダイの現生標本

動物の場合

左上:事故死したタヌキを埋めている場所の写真、右上:四角いコンテナの中に埋められたタヌキを掘り出している写真、右下:掘り出したタヌキの骨を1つずづ洗っている写真、左下:パーツごとに分けて並べられているタヌキの骨の写真
タヌキの現生標本
各パーツごとに分けて並べられているタヌキの骨の標本写真
ニホンジカの現生標本
大きな角が付いているニホンジカの頭部の骨格標本写真
イノシシの現生標本(頭骨)
ベージュ色をしたイノシシの頭部の骨格標本写真
カモの現生標本
各パーツごとに並べられたカモの骨の標本写真

ウミガメの場合

左上:海岸に死んで打ち上げられているウミガメの写真、右上:土から掘り出されたウミガメの写真、右下:ウミガメの骨格を洗っている作業者の写真、左下:骨の一部に小さな穴が開いたウミガメの指骨のペンダントと、完成したウミガメの骨格標本写真の写真
ウミガメの甲羅の骨格標本写真

 センターで所有している骨格標本では、最も「大物」です。
 館山の海岸に打ちあがってるのを見つけ、職員総出で回収に行きました。
 体長は1メートルほどもあったので、砂浜を引きずって車に積み込むのも大変でした。冬場とはいえ、半分腐りかけだったため、その臭いにも参ったことを覚えています。しかし、こうして完成したウミガメの骨格標本は、後に大変役立ちます。
 西広貝塚からは、アクセサリーに加工されたウミガメの各種部位骨がたくさん見つかったからです。

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休所日:土曜日・日曜日・祝日