南青野遺跡(旧石器)
旧石器時代
南青野遺跡 みなみあおの
遺跡は海岸平野から枝状に伸びた谷奥の台地上にあります。平成2年度から平成4年度にかけて財団法人千葉県文化財センターが発掘調査を実施し、旧石器時代から古代までの複合遺跡であることがわかりました。
旧石器時代は、9層と呼ばれる立川ローム層第2黒色帯下部から炉跡が1基発見されています。
炉跡は2.7メートル×1.7メートルの不整楕円形で、4つの炉床をもち、3回掘り直されているようです。発見された炭化材から放射性炭素年代測定が行われ、3点の資料で紀元前30,810年、同34,380年、同29,320年を示すデータが得られました。樹種同定の結果、これらは広葉樹の一種であることもわかっています。
また、炉跡から約350メートル離れた地点からは、10層上部から多量の石器が発見されています。これらは2地点3か所の石器集中地点からなり、ナイフ型石器、台形様石器、削器、掻器、楔形石器、石錐、彫刻刀形石器、石刃、打製石斧、敲石、台石、剥離痕のある剥片、剥片、砕片、礫、礫片など、バラエティーに富みます。
養老川下流域の立川ローム層最下層である10層からの石器発見は今まで例がなく、貴重な資料となっています。
『市原市南青野遺跡』財団法人千葉県文化財センター 1994年
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更新日:2022年04月18日