土宇遺跡(旧石器)
旧石器時代
土宇遺跡 つちう
報告書名では土宇遺跡と呼称された遺跡は、ゴルフ場造成のさい調査され、現在では馬立塚ノ台遺跡とされています。
現養老川河口から15キロメートルほどの上流右岸に位置し、標高50メートルから70メートルの台地上にあります。
養老川氾濫原の沖積地とは、現在40メートル近い比高差がありますが、北側の土宇下原遺跡の調査成果から、約2万5千年前は現標高40メートル付近に養老川が流れていたことがわかっています。
遺跡は中位段丘面にあり、南側は妙香川に開削されています。
おそらく川沿いには疎林があって動物の水場があり、周囲から一段高い低地を見下ろす狩りのキャンプに適した立地となっていたでしょう。
採集された黒曜石製の掻器や削器は、そうした獲物の解体に使用され、残されたものと考えられます。
氷河期の寒い乾燥した環境の中でも、我々人類の祖先たちは逞しく日々の生活を送っていたのです。
参考文献
『千葉県市原市土宇遺跡発掘調査報告書』 日本文化財研究所 1979年
『千葉県埋蔵文化財分布図(3)』−千葉市・市原市・長生地区−(改訂版) 千葉県教育委員会 1999年
「市原市の先土器時代」 近藤敏 『市原市文化財センター研究紀要I』 1987年 所収
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更新日:2022年04月18日