ヤジ山遺跡(旧石器)

更新日:2022年04月18日

旧石器時代

ヤジ山遺跡 やじやま

 ヤジ山遺跡は、有秋台団地の南、桜台団地の東の台地上にあります。この台地を東関東自動車道が通過することになり、平成元年から3年間にわたって記録保存のための発掘調査が行われました。
 調査によって、旧石器時代の人々が石器をつくった跡である「ブロック」(石器破片の集中出土地点)が11カ所みつかりました。それら石器の出土した層位的位置から、後期旧石器時代の始まりとされる約3万年前に限りなく近い9層下部から姶良丹沢火山灰(AT層)上面の5層(約2万年前)にかけて、5つの時期(文化層)に分けられることがわかりました。特に、最古期の第1文化層においては、ナイフ形石器や石核などを含む2ブロック458点の石器が出土しており、石器の接合例も15例を数えます。
 遺跡の現標高は67メートル前後で、深城川が流れる谷を南側に望む好立地にあります。しかし、今から3万年前から2万年前にかけての寒冷な気候によって、当時の海面は現在よりも120メートルほど低かったともいわれていますので、地域でも比較的高地に生活していたことになります。
 この高速道路の一連の調査によって、ヤジ山遺跡の立地する台地につながる北西300メートルの志保地(しぼち)遺跡、さらにその北西に隣接する下椎木(しもしいのき)遺跡などでも、それぞれ旧石器のブロックが調査されました。また、深城川の対岸にひろがる細山遺跡でも、まとまった数の石器製作痕跡がみられ、周辺は当該期の活動の場として市内でも有数の遺跡群を形成しています。

『東関東自動車道(千葉・富津線)埋蔵文化財調査報告書5』 財団法人千葉県文化財センター 2000年
村木正記 「市原市ヤジ山遺跡第2黒色帯中の石器群」 『研究連絡誌』第31号 財団法人千葉県文化財センター 1991年

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