歯牙製装身具(祇園原貝塚)

更新日:2022年04月18日

歯牙製装身具(しがせいそうしんぐ)

細い三日月の様な形をしており、上部に穴が開いていたり、ところどころに切込み、窪みが彫られた大小様々な3本の動物の歯牙の写真

出土地

祇園原貝塚(ぎおんばらかいづか)

遺跡所在地

国分寺台中央(こくぶんじだいちゅうおう)

時代

縄文時代後期

解説

 オオカミ・クマ・イノシシ・イヌ・タヌキ・アシカ・サメなど、さまざまな動物の歯牙が利用されますが、一端にあなをあけて、吊り下げられるようにしたペンダントタイプのものが一般的です。この他に、雄イノシシの犬歯を縦方向に割って、エナメル質部分に加工・装飾を加えた製品などがありますが、具体的な用途はよくわかりません。いくつかを組み合わせて、腕飾りやネックレスのように使ったものがあったかもしれません。歯の中では犬歯が利用されることが多く、先端部の尖った力強いイメージから、魔除けなどのお守りとして付けられていたことが考えられます。
 写真右端は雄イノシシの下顎犬歯を利用した製品ですが、土器の中に葬られた幼児骨に伴って出土したものです。歯牙製品ではありませんが、西広貝塚からは幼児骨に伴ってタカラガイを加工した製品が出土しています。縄文時代後期の関東地方では、埋葬された成人人骨に副葬品を伴う事例はほとんど認められないので、成人と幼児とでは埋葬する際の決まり事が違っていたようです。幼くして亡くなった子どもに対する、特別な想いのあらわれなのかもしれません。

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