鉄鏃(上総国分僧寺)
鉄鏃(てつぞく)

出土地
上総国分僧寺(かずさこくぶんそうじ)
遺跡所在地
国分寺台・総社(そうじゃ)
遺構
1487円形土抗
時代
10世紀末から11世紀前葉
解説
鉄で作られた鏃(やじり)で、矢の先端に付けます。古代末から中世にかけては、戦闘や狩猟のほか、儀礼や呪術などにも使われたと考えられています。
中央から下が茎(なかご)で、矢柄に差し込む部分となります。根本付近で折れているのは、土中で腐食したためと考えられます。刃は薄く、レンズ状の断面を示します。刃元が菱形状に出張るため、刃全体が木葉のような形になりますが、向かって左側の刃元は腐食のため欠けています。
鏃の全長は、茎の破損部を考慮し、推定132ミリメートル、幅は刃元の腐食部を復元して、推定16.5ミリメートル、重量は現存部分で14.4グラムあります。
土壙墓と思われる円形の土坑から発見されました。同時に出土した土器の特徴により、10世紀の終わりごろから11世紀前葉を中心とする時代に埋められたものと考えられます。
馬技と弓技が戦闘技術の中心として定着した時代の例として、参考になると思います。
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更新日:2022年04月18日