鉄鏃(上総国分僧寺)

更新日:2022年04月18日

鉄鏃(てつぞく)

下3分の1ほどで切断されている茶色く錆びているような色の尖っている弓矢の先端の写真

出土地

上総国分僧寺(かずさこくぶんそうじ)

遺跡所在地

国分寺台・総社(そうじゃ)

遺構

1487円形土抗

時代

10世紀末から11世紀前葉

解説

 鉄で作られた鏃(やじり)で、矢の先端に付けます。古代末から中世にかけては、戦闘や狩猟のほか、儀礼や呪術などにも使われたと考えられています。
 中央から下が茎(なかご)で、矢柄に差し込む部分となります。根本付近で折れているのは、土中で腐食したためと考えられます。刃は薄く、レンズ状の断面を示します。刃元が菱形状に出張るため、刃全体が木葉のような形になりますが、向かって左側の刃元は腐食のため欠けています。
 鏃の全長は、茎の破損部を考慮し、推定132ミリメートル、幅は刃元の腐食部を復元して、推定16.5ミリメートル、重量は現存部分で14.4グラムあります。

 土壙墓と思われる円形の土坑から発見されました。同時に出土した土器の特徴により、10世紀の終わりごろから11世紀前葉を中心とする時代に埋められたものと考えられます。
 馬技と弓技が戦闘技術の中心として定着した時代の例として、参考になると思います。

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