墨書土器(萩ノ原)

更新日:2022年04月18日

墨書土器(ぼくしょどき)

「寺塔」、「寺」、「佛」と書かれた土器の破片のモノクロの写真

遺跡

萩ノ原遺跡(はぎのはら)

遺跡所在地

上高根(かみたかね)

時代

奈良・平安時代

解説

 高さ約2メートルにおよぶ瓦塔を出土した萩ノ原遺跡からは約170点の墨書土器が出土しています。
 「寺」・「佛」・「入」と書かれたものの他に「寺塔」と書かれたものが4点、「塔寺」と書かれたものが1点あります。
 「寺塔」の墨書はいずれも坏の内面の底部の中心に書かれています。その筆致は繊細さを感じさせるだけでなく、手馴れた印象を与えます。
 これら墨書土器に見られる「塔」は、瓦塔を指すものでしょう。「寺塔」という墨書は、寺全体ではなく「寺の塔」のために捧げられることを目的として書かれたと考えられます。塔が信仰の対象であったことを示す好例と言えるでしょう。

(画像:『千葉県萩ノ原遺跡』日本文化財研究所 1977年 より)

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