尖頭器(姉崎台)
尖頭器(せんとうき)

出土地
姉崎台遺跡(あねさきだい)
遺跡所在地
姉崎(あねさき)
遺構
不明
時代
縄文時代草創期
解説
「尖頭器」という名称は、漢字のとおり、頭が尖っているという形態から付けられていますが、実はその尖っている部分は柄に装着し易くするために細く仕上げられている場合が多く、「木葉形」に分類される尖頭器の切先は、葉先とは逆になっていることがあります。
姉崎台遺跡から出土した尖頭器は、長軸95.6ミリメートル、短軸30.1ミリメートル、最大厚11.2ミリメートル、重量30.6グラムを測る完形品です。切先が左右対称ではなく、包丁のような特徴のあるかたちで、柄に着装される部分が尖っています。石器の両面が調整され、「槍先形尖頭器」よりもやや厚みがあるように思われます。
これまでに千葉県香山新田中横堀遺跡、神奈川県原口遺跡、静岡県大鹿窪遺跡などで、同様の形態を示す石器の存在が報告され、縄文時代草創期の隆起線文土器に爪形文が併用される時期に出現する特異な形状の尖頭器として知られるようになりました。ある特定の時期と地域に存在し、特異な形状を示すこの尖頭器は、形態形状のほかにも、石器の消長や背景となる時代性にも関連して、今後の研究対象として重要です。
この尖頭器は黒曜石製で、原産地分析を行ったところ、伊豆諸島神津島沖の恩馳島(おんばせじま)産であることがわかりました。なお、さきにあげた3遺跡から出土した尖頭器も、恩馳島産の黒曜石であることが報告されています。
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更新日:2022年04月18日