大面取柱の石膏型(片又木)
大面取柱の石膏型(おおめんとりばしらのせっこうがた)


石膏を流し込んで周りを掘る

掘り上がり

石膏型を取り出し喜ぶ

柱痕跡の模式図

柱の痕跡を掘った状態

建物の重みで堅くなった面
出土地
片又木遺跡(かたまたぎ)
遺跡所在地
不入斗(いりやまず)
遺構
不明
時代
13世紀初頭?
解説
これは何だかわかりますか?石膏のお化け?ちがいます。中世建物の柱の形が蘇ったものです。
中世の総柱建物跡を調査中、柱穴に充填された版築層に、明瞭な柱痕跡が残っていることに気がつきました。柱痕跡の土だけ除去し、そこに石膏を流し込んだところ、柱の形が型取りできました。ポンペイにヒントを得た、と言えば大げさでしょうか?
下のほうは版築がゆるく、明瞭な型取りはできませんでしたが、上のほうを見てください。断面八角形の柱であることがわかるはずです。これは四角柱の四隅を面取りしたものです。この面積が広いほうが、つまり正八角柱に近いほうが、時代も古くなります。写真の例は面取り幅の広い「大面取柱」と呼ばれるもので、面取幅の比率から、平安後期から末期にかけての建築部材であることがわかりました。この建物が建っていた地業層の年代は13世紀初頭頃に推測されています。古材をリサイクルしていたのかもしれません。
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更新日:2022年04月18日