上総国分尼寺跡
奈良・平安時代
上総国分尼寺跡 かずさこくぶにじあと
国分尼寺は、国分僧寺と同じく、奈良時代に聖武天皇が国ごとに建立させた、国家のための仏教寺院です。遺跡は、養老川右岸の標高20数メートルの台地上にあり、谷に区切られた平坦面にぴったり収まっています。西の谷の向こうには国分僧寺跡、東の谷の向こうには稲荷台遺跡などがあります。
遺跡は1920年代から注目されていましたが、本格的な調査は第二次大戦後に行われました。なかでも、1973年以降の調査では、寺院内の各種施設の配置や寺域が、それまで想定されていた規模を大きく上回り最大12万平方メートルに達することが確認でき、また、国分尼寺跡を直接示す墨書土器(「法花寺」)が出土するなど、大きな成果が得られました。
これらの発掘調査の結果、1983年に伽藍中心部と政所院政所院が国の史跡に指定され、1986年に東門跡が追加指定されました。現在は、史跡内に中門と回廊を復元して公開しており、ガイダンス施設「展示館」で出土遺物が見学できるようになっています。
『史跡上総国分寺跡-国分僧尼寺とその時代-』 財団法人市原市文化財センター 1986年
『房総考古学ライブラリー7 歴史時代(1)』 財団法人千葉県文化財センター 1993年
『千葉県の歴史』資料編 考古3 財団法人千葉県史料研究財団編 1998年
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更新日:2022年04月18日